「おいしい水の流れるところ、銘酒あり」
神奈川県西部は、富士山の伏流水や丹沢から流れる水が酒造りに適しているそうで、造り酒屋さんがたくさん!
う~む、どの酒蔵も魅力的だけど、今回は国府津から沼津までを結ぶ御殿場線にゴトゴト揺られ「松美酉(まつみどり)」という銘柄で有名な中澤酒造さんを訪ねました。
10代目のご主人が酒蔵を案内してくださいました。
お酒を仕込むのは11~3月。酵母菌という目には見えない生き物を扱うため、仕込み前には大掃除、殺菌をするそうです。
麹を作る部屋は厳重に管理され、雑菌が入るのを防ぎ、温度・湿度が管理できる仕組みとなっています。菌は目に見えないため、いつのまにか持ち込まれるのがこわいとか。なので、仕込み中は職人さんは納豆を絶対に食べないそうですよ。
そういう聖域に入れていただき、ドキドキ!脈々と続く伝統を感じさせる蔵は冷んやりとしていました。
丹沢の水は「中硬水」で、酵母のエサとなるミネラル分を多く含みます。町の水道も利用しているという地下水をくみ上げ、仕込みに使っています。
酒米は、有名な山田錦(兵庫)や五百万石(富山・新潟)、あけぼの・雄町(岡山)などのほか、地元神奈川県の「若水」という銘柄も。中澤酒造さん自身も田んぼで若水を育て、それを仕込みに使っているとか。その銘柄「琴姫」は、ワインのようなフルーティなお酒でした。
松田町には河津桜の名所があり、毎年2~3月に「桜まつり」が開催されています。このときに合わせ新酒を仕込み、また甘酒を作ってお客様にふるまうそうです。
河津桜の酵母を使ったお酒も造っているそうで、そのお酒「亮」は、桜まつりで完売となってしまうとか。飲みたい方はぜひ桜まつりに行ってくださいね!!
実は、わずかに残っていた「亮」も試飲させていただいたんですよ!
さわやかな味でした!!
その他、柑橘系フルーツのような「生酒 松みどり」、メロンのような香りのする「本醸造 しぼりたてのお酒」、ウイスキー感覚でロックで飲める「原酒」などさまざまなお酒を試飲。1つひとつ個性があって、毎日全部を少しずつ飲みたいと、ぜいたくなことを考えてしまいました。
そうそう、6月には「そうめんにあうお酒『澤のしずく』」が発売されるとか。気になる方、ホームページをチェックしてみてくださいね!
さて、御殿場線といえば、御殿場駅近くに「御殿場アウトレットモール」や「御殿場高原リゾート 時之栖(ときのすみか)」などがあり、お買い物や温泉がてら酒蔵訪問というコースも魅力的ですよね。
富士山を眺めながら沼津まで行き、海の幸を楽しむというコースも捨てがたいと思いました。