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Color

宅配弁当の色

2020.5.11

最近はレストランの努力もあって、自宅に居ながら美味しい料理を宅配で楽しめるようになってきました。結構高級なお店の料理も宅配で楽しめるようで、ステイホームに大きな楽しみを提供してくれています。

ところで、こうしたお店の宅配用の(お弁当)箱。色に注目すると面白い現象があります。
高そう(実際に値段も高いのですが)な宅配ほど、暗い色の入れ物に入って届けられるという現象です。

実は人の「重さ」に対する印象は、色彩の「明度」(色の明るさ)によって大きく左右されています。
例えば、下の図は、白を100にした場合の、他の色の重さの印象を調べた実験です。
色だけが違う、同じ大きさ、重さの箱なのですが、「重さのイメージ」はこれほどまでに大きな差があるのです。黒にいたっては約倍近い印象の差です。

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重さのイメージ

そして不思議なことに、人は「重い」=「高級」というイメージを持っています。

つまり黒い(明度の最も低い)箱にはいった宅配の料理は、ずっしりと重く感じ、その分高級、値段が高くても納得の印象になるわけです。

そして黒にはさらに、料理を引き締め、印象的にする効果があります。黒に囲まれていると料理が締まった印象になり、こちらに迫ってくる視覚効果があるので、美味しそうに見えるわけですね。和食やお正月料理のお重などはまさにこの効果を利用したもの。かなり黒で得をしています。

もう一つ、色と重さの身近な例。引越業者が使用しているダンボール箱が、以前は茶色(つまり紙そのものの色)をしていたのに、最近は白が多くなっているのにお気づきでしょうか。

これも色と重さの印象の関係です。一日に何百ものダンボールを運ぶ作業で、ダンボールがもし黒い色をして倍も重く感じていたら、それこそ、大変な苦痛となってしまいます。働く人にとってまさに重要な色の問題です。

Highlight

人の「重さ」に対する印象は、色彩の「明度」(色の明るさ)によって大きく左右されています。
目的に応じた色選びをぜひ。