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Interview

自治体取材編:町の子どもの「笑顔」支援

2020.7.20

引っ越しコラムの続きは現在執筆中です。少し、お待ち下さい。

埼玉県の東部中央にある人口約3万4千人の町、宮代(みやしろ)町。この町には全国でも珍しい「こども笑顔担当」という担当がある。子育てに関する支援や、虐待防止などの施策を主に担当しているが、コロナ禍には「みんなで笑顔になろう! こども笑顔チャレンジ!」を展開するなどユニークな活動を行っている。その取り組みを取材した。

こども笑顔担当

子育てを支援する部署は全国各地の自治体にある。それぞれが様々な形で子育て世代とその子どもたちをサポートする事業を行っている。

「こども笑顔担当」も同様の組織だ。もともと「子育てひろば」の運営を主体で行っていたため「子育てひろば担当」と名乗っていたが、この春(2020年4月)幅広い子育てサポートを行うことを表すため名称を変更した。

「この担当名は他の自治体にはなく、おそらく日本初だと思います」と担当の清水さん、伊藤さんは口をそろえる。

子どもたちの声が消えた

担当名を刷新しよりよいサポート事業を目指そうと思った矢先、新型コロナウイルスが猛威をふるい始めた。4月から担当になったばかりの伊藤さんは「これから、というときに子育てひろばに響いていた子どもたちの声がすっかり消えて悲しかった」と振り返る。

汽車が目印の子育てひろば

コロナ前の子育てひろばには保育士が常駐しており、年齢に応じた教室やイベントを提供していた。就学前の子どもたちや、幼稚園、保育園終わりに立ち寄る子どもたち、小学生などが親子で参加していた。

こども笑顔チャレンジ!

こども笑顔担当の3人は、誰もいないひろばを見ながら「在宅していても子育てひろばにいるような遊びを楽しんでもらえないだろうか」と考えるようになっていった。
もともとスポーツ系の仕事をしていた伊藤さんは、スポーツ界が子ども向けに動画等を発信していることに着目した。「子どもたちが家でできるあそびを公募の形で集めよう」。

取り組みは「こども笑顔チャレンジ!」と名付け、さっそくネット上で募集を開始。担当が運営していた「みやしろで育てよっ」というサイトに加え、宮代町のサイト、Facebookなどをフル活用した。

オンラインからリアルへ

コンテンツは順調に集まりオリジナルの「手洗いソング」「とんとんずもう(工作)」「バランスチャレンジ(運動)」などが提供された。町民の方をはじめ、「子育てひろば」の先生たち、大道芸人、さらにはプロのスポーツ選手までもが協力してくれた。バレーボールの埼玉上尾メディックスの選手たちが「手洗いソング」に合わせた手洗い動画を送ってくれたのだ。

一方では保護者から「子どもたちが実際に遊んでいる様子」も届き始めた。「とんとんずもう」で遊ぶ子どもや「吹き矢」にチャレンジする子どもの動画などが集まり「嬉しかったしほっこりした」。そうした動画にコンテンツ投稿者がコメントをしてくれることもあった。「つながっていく感じがとても嬉しかった」と伊藤さんも言う。

緊急事態宣言が解除されたことを受け、6月5日で募集は終了したが「今後もこれを活かして『こども笑顔応援隊』の活動を活発化させていきたい」と伊藤さんは意気込む。

この取り組みがきっかけで埼玉上尾メディックスの選手たちが、実際に子育てひろばの教室にも来てくれるという。オンラインからオフラインへ「こども笑顔チャレンジ!」はさらに広がっていく。新しい子育て支援の形になっていくかもしれない。

※オフィス・サウスもこの取組に賛同し、三択クイズ「新みやしろ郷土カルタ」を提供しています。