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キャッシュレス決済は正念場?

2021.7.5

みなさんは日々の生活でどの程度、キャッシュレス決済を利用しているだろうか。

キャッシュレス決済のいろいろ

キャッシュレス決済とは、物理的な現金(貨幣・硬貨)を使用しないで支払い・受け取りをする決済方法のこと。一般的には「現金以外のデジタル化された価値の移転を通じて支払い・受け取りをする決済方法」と理解されている。

キャッシュレス決済と一口に言っても、実は様々なタイプがある。支払い方法による分類で「前払いタイプ」「即時払いタイプ」「後払いタイプ」。自分が利用しているサービスがどれにあたるか、気にしたことはあるだろうか。

前払いタイプ
プリペイドカードなど事前に現金をチャージして利用するもの。SuicaやPASMOなどがこれにあたる。

即時払いタイプ
デビットカードなど利用した直後に銀行から利用金額が自動で引き落とされる仕組みのもの。QUICPayとiDがこれにあたる。

後払いタイプ
クレジットカードなど利用金額が後日、請求される仕組みのもの。

支払う際に使う媒体の違いで分類すると「カード決済」「スマートフォン決済」に分けられる。

「カード決済」はこれまでも一定数の利用率のあったクレジットカードやデビットカードによる支払い。カードを専用の機器に差し込んで使うことから「接触型決済」とも言われている。

「スマートフォン決済」には「非接触型決済」と「コード決済」がある。

「非接触型決済」は、クレジットカードや電子マネーを登録したスマートフォンで支払うもの。Apple PayやGoogle Payなどコンビニやスーパーなどのレジにスマートフォンをかざすだけで支払いが完了する。
「コード決済」はQRコードやバーコードを利用して支払いをするもの。支払う際には、利用者がスマートフォンに表示したコードを店舗側が読み取るか、店舗が掲示するコードを利用者が読み取って支払う。

コード決済の急成長

一般社団法人キャッシュレス推進協議会が公開している「キャッシュレス・ロードマップ2020」によると、キャッシュレス決済比率は2017年が21.3%であったのに対し、2018年は24.1%と、2.8%上昇。新型コロナの影響もあり、2021年も利用率は伸びると見られている。

中でも利用率が大きく伸びているのが「スマートフォン決済」のうちの「コード決済型」。NECソリューションイノベータの調べによると2019年の19%から2020年の43%と大幅に増加しているのだ。

中でも「PayPay」の利用率が突出して高く、スマホ決済利用者の66%が利用していた。
キャッシュレス決済の普及に「PayPay」が一役買った形だ。PayPay株式会社によると、2021年3月までの1年間で決済回数は20億回を突破したという。

手数料有料化で流れが変わる?

このまま順調にキャッシュレス決済が伸びていくかというと、そうでもないようだ。

キャッシュレス決済を使う際、加盟店は決済事業者に決済システムの手数料を支払っている。例えばSuicaなど交通系電子マネーは売上の3.25%、楽天ペイは3.24%だ。そのため薄利多売形態のスーパーや、小規模店舗での導入が進まなかった。

そんな中、PayPayやLINE Payは、市場獲得戦略でこれまで「手数料無料」を打ち出していた。さらに、大々的なキャッシュバックキャンペーンなどを行うことで一気に利用率を上げた。

しかし、ここに来て両社が10月1日からの手数料有料化を発表。メルペイも7月1日から有料化が始まっている(条件により10月1日)。小規模店舗からは「手数料が有料になるならやめる」という声も聞かれているという。とはいえ、一度その便利さを知ってしまった顧客は簡単には現金払いには戻らない。

JCBが行った調査によると「飲食店などでキャッシュレス決済が利用できないとわかって、お店の利用をやめたことがあるか」の問いに対して「ある」と回答した人は48.4%となっている。

小規模小売店にとっては「経費負担増」か「客離れの恐れ」かの選択を迫られることになってしまった。今後の動向に注目だ。

Highligh

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