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Interview

新規事業の育てかた① TRIBUS(トライバス)

2021.7.12

リコーが主催するアクセラレータープログラム「TRIBUS(トライバス)」。3年目を迎えたプロジェクトの今をTRIBUS事務局の大越さんに伺った。

日本のほとんどのアクセラレータープログラムは、スタートアップ(社外)向けのアクセラレータープログラムと、社内起業家プログラムが別々に運用されているケースが多い。しかし、リコーのアクセラレータープログラム「TRIBUS」は社外のみならず「社内からもイノベーターを募る」という大きな特長がある。

今回は特にこの「社内からの応募」に着目する。第二話では社内応募で「TRIBUS」から羽ばたこうとしている新規プロジェクトをご紹介する。

年に一度のチャンス

「TRIBUS」の募集は年に1度だ。応募期間は、社内は2月から4月、社外は5月から8月。2020年度は「次の当たり前になる」をテーマに募集、社内からは87件の応募があった(社外からは156件)。

社内応募と社外応募の審査は、はじめはそれぞれ行われるが、アクセラレータープログラム参加チームを決める「統合ピッチコンテスト」は社内外混合で行われる。

統合ピッチコンテストまでの間、社員は社内副業制度を使い、自分の業務時間の20%をチームのために使うことができる。また図には無いが、社員のみ書類審査と社内ピッチコンテストの間に「検証・育成」期間がある。社内イノベーターの育成も掲げる「TRIBUS」ならではのサポート制度だ。

寄り添って伴走していく

さらに社内チームには、社内ピッチコンテストの前段階から事務局の担当が付く。ただし、事務局は「報告を求めたり、指示を出したりすることはありません。」と大越さん。「私達はチームに寄り添って伴走し、困っていることがあればお手伝いするだけです」。

統合ピッチコンテストで選出されたのちに始まる「アクセラレータープログラム」。
社内からの応募チームの場合、この段階から業務時間の100%をチームの仕事に割り当てられる。とはいえ、これは強制ではなく「現状の仕事の状況を見ながらどこまでプロジェクトに関わるか」を自身で決められるという。あくまでもチームの自主性に任せられている。

また、チームにとっては「サポーターズ」からの支援も大きい。サポーターには300名以上のリコーグループ社員が登録してチームを支援しているが、スキルも様々なら関わり方も様々。こちらもサポーターの自主性に任せられている。

2020年度は社内のコンテストを通過した8チームのうち5チームが統合ピッチで選出され(社外は10チーム)、さらに成果発表会であるInvestors Dayを経て採択された3チームが事業化を目指して活動している。

TRIBUS 2020で採択された社内参加チーム

より多くのチームにチャンスを

2020年度社内応募は、先にも述べたとおり87件。うち40件ほどが社内書類審査を通過したという。「通過数が多くないか?」との問いに大越さんは「書類や面談だけではわからないことも多いです。できるだけ多くの人・チームにチャンスを作りたい、という思いがあるので数を絞ることを考えていません。」と語る。

さらにこう続けた。「再チャレンジピッチという制度もあります。一度選考から漏れたチームにもビジネスをブラッシュアップいただく機会をご提供しています」。

TRIBUSはリコーの山下良則社長が力を入れているプロジェクトでもある。今後も仕組みの見直しなどをしながら続けていく予定だという。

次回はこのプログラムから羽ばたこうとしている「piglyph(ピグリフ)」のご紹介です。

INFO

TRIBUS(トライバス)-リコーのアクセラレータープログラム
2021年度募集 は8月16日まで! 募集サイト