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中小企業の環境経営の味方「エコアクション21」

2023.6.19

気候変動への対応、持続可能な社会を目指すため「環境経営」が注目されています。今回は環境経営のマネジメントシステムのご紹介です。

マネジメントシステムとは

ご存じの方も多いと思うが、まずはマネジメントシステムについておさらい。

ある一定規模以上の組織経営に「ルール」は不可欠。「ルール」ができたらそれを運用するための「手順」や管理するための「責任」と「権限」の明確化も必要になってくる。数名の組織なら代表者が直接管理することも出来るが、人数が増えれば増えるほど一人で管理することができなくなるためだ。

こうした「ルール」「手順」「責任」と「権限」の体系がマネジメントシステムと呼ばれている。目標を達成するために組織を適切に指揮・管理する「仕組み」だとも言える。

マネジメントシステム自体はどこの組織にもあるもの。しかし、これに基準を設けて「認証」する制度がある。有名なのが「ISO」で、国際的なマネジメントシステムの「基準」を示し認証している。認証を受けるメリットとしては「社会的信頼の獲得」「継続的な改善」などがあげられる。

中小企業向けの環境のマネジメントシステム

「エコアクション21」は環境系のマネジメントシステムだ。環境省が策定し一般財団法人持続性推進機構が運営しているシステムで、日本独自のもの。

環境の国際的なマネジメントシステムには「ISO14001」があるが、中小企業にとっては金銭的・人的な負担が大きく、導入が難しいという声が上がっていた。エコアクション21は「ISO14001」を参考としつつ、中小事業者にとっても取り組みやすいシステムのあり方を規定している。

例えば、各種「手引き」が用意されていて、自らの状況を把握しやすいようになっているほか、「把握すべき負荷項目」や「取り組むべき活動」が具体的に決められている。
「必ず把握すべき負荷項目」には二酸化炭素排出量、廃棄物排出量及び水使用量を規定。
「必ず取り組むべき活動」には省エネルギー、廃棄物の削減・リサイクル、節水、自らが生産・販売・提供する製品の環境性能の向上及びサービスの改善などが規定されている。

また「環境コミュニケーションを実現」するために「環境経営レポート」の作成と公表を必須としている。

認証を受ける価値

ここまで読むと「やはり認証を受けるのは大変そう」と思うかもしれない。エコアクション21はこうした声にも対応する仕組みを作っている。

各地に「地域事務局」を設けており、地元で相談やアドバイスを受けることができる。また、地方公共団体と連携した参加費無料の講習会(費用はエコアクション21中央事務局が負担)など、情報を得られる機会もある。さらに、他のマネジメントシステムではあまり聞かない「審査人による指導や助言が受けられる」という特長がある。初心者にもやさしいシステムだ。

それでも「認証を受ける必要があるのか?」という疑問を抱く方もいるかも知れない。

認証を受けるメリットしては「社会的評価・信頼の獲得」が大きい。近年では取引に「二酸化炭素排出量の削減」など、環境に関する条件を設ける大手企業、地方自治体が増えている。さらに厳しく、取引条件のひとつに「環境系のマネジメントシステム」を導入し「認証をうけている」ことを求める組織もある。

金融の評価基準にも同様の条件が含まれていることがあり、融資や投資を受ける際に影響が出てくる。エコアクション21の認証・登録を受けた事業者が「低金利融資」を受けられることもある。

アフターフォローも

外部認証を受けることには「組織内では気づけない問題点」に気づけるというメリットもある。「経費の削減や生産性・歩留まりの向上、目標管理の徹底等」の「経営面での効果」もあげられるのだ。

定期的な審査は、継続的な改善につながるというメリットもある。多くのマネジメントシステム同様、エコアクション21も更新が必要だ。2年ごとの更新とその間の「中間審査」が設けられている。

審査を受けることで「計画(Plan)→実施(Do)→見直し(Check)→改善(Act)」の各工程のアドバイスを受けられることにもなる。エコアクション21は「認証取得後のアフターフォロー」もしてくれるため、この点でも安心だ。

現在、約7500社が認証を受けているという。環境経営への最初の一歩として、エコアクション21を検討してみてもいいかもしれない。

INFO

一般財団法人持続性推進機構
(エコアクション21中央事務局)
160-0022 東京都新宿区新宿5-17-17-7F