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ゾウを知る-静岡市立日本平動物園の展示-

2024.2.5

静岡市立日本平動物園に新たなシンボルが誕生しました。メスのアジアゾウ「シャンティ」の骨格標本です。

今回はシャンティの生涯や、ゾウについてのお話です。

Info

静岡市立日本平動物園 
〒422-8005静岡市駿河区池田1767-6
TEL:054-262-3251


アジアゾウのシャンティ

シャンティは1970年にインドから親善大使として来園した。当時1歳のシャンティはまだ小さく、背丈は人の大人より低かった。おっとりとした性格で、飼育員を困らせることはなかったそう。

シャンティが来園したときには、すでに同動物園にはメスのアジアゾウ「ダンボ」がいた。ダンボはシャンティよりも3つ年上(現在57歳)。2頭が子どものころは、一緒に園内を散歩したり静岡浅間神社に初詣をしたりしていたという。小さい頃から何をするのも一緒だった2頭は「とても深い絆で結ばれていました」と動物園。

シャンティとダンボは何をするのも一緒

50年以上も動物園にいたことから「幼い時から知っているゾウ」として中高年のファンも多い。静岡在住の知人の中には、親子三代でファンだという人もいた。「息子が子どもの頃からよく通っていて、孫とも何度もゾウに会いに行っています」。

シャンティとダンボは動物園の中心的な存在だった。

骨格標本を展示する

2頭の絆はシャンティの最期の時まで続いた。シャンティが2022年5月5日に53歳で息を引き取った際には、飼育員のみならずダンボも見守っていたという。老衰だった。

そして2023年12月、シャンティは骨格標本となって動物園に帰ってきた。

シャンティの骨格標本。パネルには生前の様子などが記載されている。

シャンティは同園のビジターセンターに展示されている。標本の前に立つと、まずその大きさに圧倒される。パネルに掲載されている子どものころの写真と比べるとその成長ぶりに驚く。

ひとつひとつの骨は大きく、頭蓋骨は大人でも抱えきれないほど。重たい体重を支える脚の骨は太くて立派だ。

標本のそばには、タッチサイネージを使った解説コンテンツも(上記写真の左手前に写っているもの)。

画面を操作することで、骨の向きを変えたり、パーツごとに拡大・縮小して表示することができたりする。標本の実物では見られない骨の裏側や関節などが確認できる。解説文を読むと、「野生のゾウとの違い」や「重い体を支える仕組み」などを知ることができる。標本とあわせて見ると理解度があがる。

手骨格を英語で表示している画面(日本語表示も切替可能)

館内にはこの他にアフリカゾウの頭部の骨格など、他の動物の骨格標本も展示されている。比較しながら見ると面白い。

静岡を訪れた際には立ち寄っていただきたい動物園だ。